骨粗鬆症について
骨粗鬆症は、加齢や閉経などが原因となって骨量が減少してしまい、骨がスカスカになって脆くなる病気です。これにより、背骨が体の重みでつぶれたり、背中が曲がったり、変形による圧迫骨折が起こったりします。歩行時につまずく、階段から転倒するといった衝撃でも骨折してしまうため、注意が必要です。2022年に発表された最新のデータでは1590万人(男性410万人、女性1180万人)と増加傾向にあります。厚生労働省による国民生活基礎調査によると、要介護になった理由として、認知量、脳卒中に続いて骨折、転倒が第3位となっています。要介護にならないためにも、骨粗鬆症の治療が重要ですが、骨粗鬆症はほとんど無症状であるため、検診によって骨粗鬆症やその予備軍を発見し、治療につなげることが重要です。
骨粗鬆症の検査
骨粗鬆症が疑われるときは、骨密度の測定、X線検査、身長測定などを行います。このうち骨密度の測定は、主に骨密度測定装置(DXA)を使用します。腰椎や大腿骨頚部を直接測定することにより、骨密度を正確に把握できます。X線検査は、骨折や変形を把握する上で重要な検査です。骨粗鬆症とほかの疾患との鑑別にも役立てられます。身長測定は、25歳の頃の身長と比べて、どのくらい縮んでいるかを調べます。25歳時より4cm以上低くなっている場合は、それほど低くなっていない人と比べ、骨折する危険性が2倍以上高いといわれています。
骨粗鬆症の治療
骨粗鬆症の治療は、食事療法と運動療法、薬物療法を組み合わせて行います。食事療法では、カルシウムとビタミンDを適量摂取することで骨密度上昇や骨折予防が期待されます。
運動療法は、筋力の低下を食い止めたり、バランス感覚を向上させるためにも重要となります。骨は運動をして体重負荷をかけることで増加し、丈夫になります。ただし、激しい運動はかえって逆効果になることもあります。なお、病状が進んだケースでは、食事療法や運動療法に併せて薬物療法が必要になります。様々なお薬がありますので、これらを組み合わせて処方いたします。