リウマチについて
リウマチは、本来なら病原菌などの外敵を攻撃するはずの免疫が暴走して自分自身の体を攻撃してしまう病気です。主に手足の関節が腫れたり痛んだりします。患者様によっては、炎症が目や肺など全身に拡がることもありますし、微熱や倦怠感などの症状が慢性化することもあります。リウマチが進行すると、関節の破壊や変形をきたしてしまい、日常生活が制限されていきます。
主な症状
- 朝起きたときに手指などがこわばっている
- 手や足の動かしにくさを感じている
- 関節が腫れてきた
- 指の関節が痛い
- なんとなく全身がだるい
- 微熱が続いている
- 医療機関で腱鞘炎だと言われた
- 食欲がなくなってきた
- 体重が減ってきた
- 関節が変形してきた
- など
リウマチの診断
リウマチの診断にあたっては、血液検査やX線検査などを行います。リウマチと似たような症状を起こす病気はいくつかあります。たとえば変形性関節症は指の第一関節が硬く腫れるため、リウマチと勘違いされることもあります。男性に多い痛風の場合は、足の親指などが腫れて痛みますが、ほかの関節に炎症の生じることが比較的少ないため、わりと区別しやすいです。リウマチは様々な検査の結果を照らし合わせて総合的に診断されます。
リウマチの治療
関節の腫れや痛みは持続すると関節の破壊や変形を引き起こすため、疾患修飾性抗リウマチ薬(DMARDs)を中心とした薬物療法で早期に治療を開始することが重要です。痛みや腫れを抑えるために、非ステロイド性消炎鎮痛薬(NSAIDs)やステロイドも併用されることがあります。効果が不十分なときは生物学的製剤の使用も行います。
薬物療法が基本のリウマチの治療ですが、局所のコントロールのため手術療法を行うことがあります。滑膜切除術、人工関節置換術、関節固定術、腱移行術などがあります。このうち滑膜切除術は、関節を包む膜組織である滑膜を取り除き、痛みなどの症状を改善する方法です。
リウマチの病状が進行して関節が破壊されてしまったケースでは、人工関節置換術を行います。人工関節に入れ替えることにより、関節の痛みが改善し、歩行しやすい状態になります。最近の人工関節は耐久性に優れており、再手術のリスクも減っています。
関節固定術は、壊れた関節を一つの骨にしてしまう手術です。指や手首、足首など、固定しても支障が少ない関節について行います。動かなくなるため、痛みが解消されて安定感も生まれますが、不便になるデメリットは避けられません。
腱移行術は、手指の腱が切れてしまった際に行われます。伸筋腱が切断されて指が伸びなくなってしまったときなどに、切れてしまった腱をほかの腱に繋ぎ直して、再び指が伸びるようにします。